夢―忘れたはずの記憶『雪菜』―
〜雪の少女の記憶〜

 少年は少女に名前をあげました。
 雪菜と。
 少女は戸惑います。
「わたしの……なまえ。ゆきな?」
 少年は優しくこう言いました。
「そう、雪菜。こんな雪の中に菜の花のような可愛らしい少女がいたから、雪菜」
「ゆきな♪ ゆきな♪」
 少女は嬉しそうに言います。
 少年も嬉しそうです。
 だけど、少年は少し哀しそうな顔をしました。
 この子も、僕と同じだと。











 舞い降りた者は

 天使か、

 悪魔か。

 だけどどちらも違う。

 無邪気な天使の心を持ち、

 残酷な兵器として育てられた悪魔。

 それはただの人形として……。

 兵器として……。

 舞い降りた者は子供の姿。

 そう、関係ない子供達が巻き込まれた。

 全ては身勝手な大人の行為で……。