少女は喜ぶことを忘れてしまった。
少女は怒ることを忘れてしまった。
少女は哀しむことを忘れてしまった。
少女は楽しむことを忘れてしまった。
少女は生きることを忘れてしまった。
少女に残ったものは命と無だけ……。
だけど……
少女はその無の中で、
希望という光を見つけた。
それは……
素直じゃないと分かっている。
分かっているけど、伝えられない。
伝えられないから、上手く話せない。
上手く話せないから、想いが届かない。
想いが届かないから、悔やんでしまう。
悔やんでしまうから、自分を傷つけてしまう。
自分を傷つけてしまうから、迷惑を掛けてしまう。
迷惑を掛けてしまうから、独りになってしまう。
独りになってしまうと……素直じゃないと思ってしまう。
この永久に満ちた螺旋は、切っても切って限がない。
そう、それはまるで城に覆い尽くす荊の呪いと同じ。
限がないから、また同じ夜を過ごしてしまう……。