夢―忘れたはずの記憶―『彷徨』
〜雪の少女の記憶〜

 少女は彷徨った
 何もない雪の中で。
 少女は彷徨った
 寒さだけが襲う雪の上で。
 少女は彷徨った
 自分は一体誰なのか……。
 少女は彷徨った
 生きるか死ぬかの境目を……。
 少女は彷徨い叫んだ
 助けて……と。











 あの日出会えなければ、

 私達はどうしていたんだろう?

 あの日出会えなければ、

 私達は死んでいたのだろうか?

 あの日貴方と会っていたから、

 私は笑顔を失わなかった。

 あの日貴方と会っていたから、

 私は生きる意味を憶えた。

 そう、

 全てはあの日から始まっていた。