――キィィィィ……――
図書室の大きな扉を開く。
開いたその先、真っ先に見えるのは無数の本棚。
ここには色々な本が閉まってある。
小説から参考テキスト、図鑑、辞典まで……。
どうして、お父さんはこんなに本をどうして買ったのかな?
確かにお父さんは本好きだけど……これはちょっと。
私は歩きながら、何か面白い本でも探した。
だけど、本があまりにも多すぎて、どの本が良いのか迷ってしまう。
そしてたどり着いた場所は一番奥の本棚。
そこにまとめている本の種類は『錬金術関連』。
その本棚を見て回ると、色々な本がたくさん置いている。
『錬金術とは?』『錬金術の歴史』『元素と星』……。
……ほんと、お父さんも物好きだなー。
私も言えたものじゃないけど。
「はぁ……」
自分のしていることにため息をつく。
呆れてきた。もしくは飽きてきた?
大きな借金を抱えているのに、こんなにも呑気だなんて。
それに、
私は何でここに来たのだろう?
目的も無く来た……はず。
こんなに本が多い部屋に来ても……何も……
「あっ!!」
私は良い提案を思いついた。
「ここにある本を全部売ればいいんだ」
そうすれば、お金が多少増えるはず。
良い案だけど……。
でも、十億円までは到底及ばないよね……。
それに……
この大量の本を古本屋に持って行くの……
かったるいよぉ……。
「はぁ……」
自分はいつからこんなに怠けたんだろ?
ため息を吐きながら本棚へ凭れこむ。
―ドサッ―
あ。
本が落ちた。
「かったるい……」
そう呟きながら本を拾う。
『〜Material Element〜』
拾い上げた本の表紙にそう書いてあった。
「創作する元素? 一体どういった本なんだろ?」
化学とか好きな私には、興味を注がれるタイトルだ。
わくわくしながら本を開ける。
〜原子番号1.《H》 水素〜
『この本の案内人。まずは彼女に聞いてみるがよい』
一ページ目にはそう書いてあった。
「はい?」
意味が分からなかった。
水素が案内人?
彼女に聞いてみる?
疑問が増えるばかり。
「水素ってそんな役割あったっけ?」
その刹那。
本がぼおっと蒼く光りだす。
そして一枚の紙切れが外に飛び出した。
それには六芳星が蒼く描かれていた。
「へ? なにこれー!?」
何がどうなっているか分からない。
紙切れにあった六芳星が床へと描き写る。
そして光が包み込む。
いつの間にか六芳星の中心に、小さなツインテールの女の子が立っていた。
頭の中は『?』でいっぱい。
頭の処理速度が追いついていない。
むしろ、408エラー!?
「ん……」
ツインテールの少女が瞳を開けた。
そして私を見ると、悪戯っ子のような顔で
「多分呼ばれてないけど、じゃじゃじゃじゃ〜〜ん☆」
何かの戦隊物のような決めポーズをしながらそう言った。
「良し! 掴み所はバッチリだねっ♪」
ジャンプしながらガッツポーズ。
……。
えーと、まだ頭が理解できてない。
本から出てきたツインテールの少女!!
果たしてその正体は!?
今の私の頭の中はそんな感じ。
……とりあえず一旦CMです。