LOSTKEY−鍵のカケラ− 「零夜」
Data//Unknow

 運命の夜に起きた《ありえるはずのない出来事じこ

 《ほのお》は笑いながら散り、天使の背中は《あか》く染まり、

 そして《少女わたし》の瞳に、映し出されたのは倒れている《少年キミ

 痛みを抑えて《少女わたし》は《少年キミ》の手を取る

 それは柔らかな風が誘う、《星河たなばた》の夜だった


 絶望の夜に起きた《ありえるはずのない記憶かこ

 《少年キミ》が《ゆめ》から醒めて、《少女わたし》が《ゆめ》へと堕ちて、

 そして《少女わたし》の身体は、《少年キミ》の優しき肩へと寄り添う

 痛みを抑えて《少女わたし》は空を見上げた

 それは涼しい風が舞う、《星河たなばた》の夜だった


 消えてかけてしまいそうな灯火と、

 絶望の世界しか見えない灯火、

 天ノ河の《二人の恋人ベガとアルタイル》に願う

 どんな願いも叶う世界ではないけど

 だからこそ《少女わたし》は、身を捧げた

 この命尽きるまで《少年キミ》の傍に居たい

 希望も未来もない

 そんな小さき儚い願いは

 きっと叶うだろう


 痛みを忘れて《少女わたし》は空を見上げた

 それは《二人の恋人ベガとアルタイル》による、《星河たなばた》の夜

 身体が朽ちてもいい《少女わたし》は空に願った

 それは《フィーネおわり》のない《ダ・カーポえいえん》の世界、《零夜はじまり》の夜だった