序幕 運命の鍵
Data//2002.7.7(Sun)

 ここに一つの鍵のついた本があります。
 その本は一人の少年の物語が書かれています。
 世界でたった一つのストーリー。
『人生』。
 私はその本を神様から授かりました。
 そしてその本の鍵と共に。

 私は本を授かった身。
 本に書かれた少年に会うために私は下界に舞い降りました。
 本を授かった者は、その本の主人公を見守る義務があるから。

 今、私は会いに行きます。貴方の元へ。
 私の一番大好きな貴方の元へ。
 待っていて下さい。
 この運命の鍵を使わないことを祈りながら……。
 待っていて下さい。
 物語はすでに始まっているんです。

 もう後には戻れない。
 この鍵を手にしてしまったら。
 もう後には戻れない。
 時計の針は戻せないものだから……。